目を閉じれば
あの時のあなた
鮮やかに
目の前にいるかのように
誰よりも綺麗でした 
あのあなたは 
あの時のあなたは

大袈裟ではなく
嘘偽りもなく
あの時を潤すように
あのあなたに応えるように


振り返れば
あの日々のあなた
艶やかに
目の前にいるかのように
誰よりも女神でした 
あのあなたは 
あの日々のあなたは

何よりも届いた
誰よりも響いた
あの日々を満たすように
あのあなたに捧げるように


もう届かないけれど
色濃く放って止まない
懐古な身勝手が転がる今

もう届かないからこそ
力強く描いて止まない
回顧な自己満足が回る現在


鮮やかに悔恨してもしても
艶やかに開墾してもしても


しっとりと
懐古に降られ
糸を紡ぎ直してゆくばかり蚕

じっとりと
回顧に濡れて
意図に絡まってゆくばかり蚕