戸惑いの僕
掬い上げてくれた君   忘れない、忘れるはずがない


何にもない僕
切り取ってくれた君    拭えない、拭えるはずがない


あれからの日々はもう現実とは思えない
どこに行っても、誰と遭っても、何に触れても、何を造っても、何を手にしても
あの頃以上に輝いた例も、色づいた例もない


それは僕の心の持ち方の問題?
それとも君がもういないという問題?


行方知らずの輪郭に逢いたい  
もう一度嘘でもいいから、現実で逢えない?

届かない想いばかり
したためては空に浮かべていた


行方知らずの感想に逢いたい  
もう一度嘘でもいいから、現実で逢えない?

響かない想いばかり
したためては夜に浮かべていた


ありふれた未来過程  虚しさ溢れすぎる
投げ捨てるしかない  外れていくしか道はない
確かな鼓動だけを信じて あとは走り出すだけだっていうのに


欠けてしまったんだ
その存在感が遠のいていった途端に   磁針も自信も時針も自身も


欠けてしまったんだ
その存在感が側で感じられなくなった途端に    磁針も自信も時針も自身も


ありふれた将来過程  虚しさ溢れすぎる
投げ捨てるしかない  外れていくしか道はない
確かな情熱だけを信じて あとは走り出すだけだっていうのに


こねくり回してんだ
同じような言い草を 同じような口実を 同じような舌先を


こねくり回してんだ
同じような空虚を 同じような焦燥を 同じような肌先を


一途になりたい       なりきれない
耽溺したい          しきれない
虚しさぶっ飛ばしたい   ぶっ飛ばせれない
切なさ掻き消したい     掻き消せれない
情熱焦がしたい        焦がせない


痛みの伴わない風景ばかりを刻んで刻んで
優しさの滲まない風景ばかりを刻んで刻んで
弱みの昇華しない風景ばかりを刻んで刻んで
愛しさの色づかない風景ばかりを刻んで刻んで


真っ直ぐに伸びたい       伸びきれない
咲き乱れてみたい        乱れられない
綺麗に舞い上がりたい     上がれない
強く咲き誇りたい         誇れない
儚く振り蒔けない         蒔けない


刻んだ刻んだ  痛みの伴った風景の   つもりだった、だった
刻んだ刻んだ  優しさの滲んだ風景の  つもりだった、だった
刻んだ刻んだ  弱みの昇華した風景の  つもりだった、だった
刻んだ刻んだ  愛しさの色づいた風景の  つもりだった、だった


眺め耽り慣れ
受け入れ慣れ
くわえ指慣れ
装い静謐慣れ


戸惑いの僕
掬い上げてくれた君   返したい、返さなきゃならない


何にもない僕
切り取ってくれた君    応えたい、応えなきゃならない


あれからの日々で止まったままではいられない
どこに行っても、誰と遭っても、何に触れても、何を造っても、何を手にしても
あの頃以上に輝く保障も、色づく保障はないとしても


それは僕の心の持ち方次第
君がもういないという口実はしない


行方知らずの輪郭に返したい  
もう一度嘘でもいいから、現実で見つけてくれない?

届かない想いばかり
したためては空に浮かべていく  来る日も来る日も


行方知らずの感想に応えたい  
もう一度嘘でもいいから、現実で気づいてくれない?

響かない想いばかり
したためては夜に浮かべていく  これからもこれからも